●名称及び日時 2009’北斗旗第三回空道世界選手権大会 11月14日(土)・15日(日) ●場 所 国立代々木競技場 第二体育館 ●主 催 NPO 国際空道普及委員会 ●主 管 (社)全日本空道連盟 ●後 援 文部科学省・外務省・東京都 ●協 賛 大道塾総本部
[支部長・所 感] 世界選手権に向け、ここ数ヶ月(5月の北斗旗体力別の結果より6月から続いた計5回の強化稽古)準備してきた訳で(=塾長の御配慮による本部においての「強化稽古」は前回の第二回世界大会時同様、選手達は貴重(+力になる)な経験になっているよ)セコンド対応+支部応援体制も相整い「いざ代々木へ」と挑み・・・ 俺は菅原・清治の調子(前日計量後においての食事等を見ても=テンション含め)は悪くはないし、仮にどういう状態(体調を含め)でも「世界選手権」なんだから万全であろうが(=当然)そうで無かろうがフルパワーで挑むのは当然ではあるので試合では暴れて(=上位進出)くれると思っていたよ。 試合結果(HP「お知らせ」と同じ内容=詳しくは以下の所感を参照下さい)として−270クラス出場の菅原はフランス支部 パリス チャーレイ選手と対戦し試合終盤まではマウントからの決めで効果ポイントを奪取し優位に展開していたが、残り数秒(!)でのパンチ連打で無念の一本負けに。 −250クラス出場の清治は、初戦(イギリス支部 マーク リチャード選手)・2回戦(これ又、イギリス支部長のタハー モハモッド ダオ選手)までは、初戦においてヒザ十字を決めての一本勝ち・2回戦は強烈なパンチ連打での有効優勢勝ちで3回戦に進出。この試合はブロックの大一番(3回戦)で、対戦相手(ロシア支部 ケレカサエフ ラスラン選手)とは打撃戦イーブンで展開、途中不可解(?)な効果ポイント(マウントからの決め)を獲られてしまうことに。終盤の打撃による反撃では効果と思われたがノーポイント=結果は無念の敗退の結果に。 今回(結果)全階級(−230〜+270の5クラス+女子部の計7クラス)をロシア勢に持って行かれたこと=ロシア勢が日本代表に勝っていくシーン(それも北斗旗の聖地である「代々木」において)は正直「涙」が出そう(実際、審判(主審)時は思いっ切り、目の前で見るので涙腺はやばかったね)だったよ。 ただ悲観だけではない!鈴木自身、3回戦での試合で更に(強く)「打倒ロシア」に対する心に期待したいし、菅原においても「世界」を感じたことによる今後の奮起に期待したいよ。 最後に本大会(試合)を観戦した支部塾生の皆1人1人が、しっかりと心に焼き付けられたことも信じ、俺自身(世界選手権を通じた)ロシア勢(=以外の海外選手含め)等の試合対策を今後に向け取組んで行きたいね。 押 忍
清治・菅原世界大会試合観戦記 小川 英 第三回世界空道選手権大会が11月14日(土)〜15日(日)の2日間、東京(代々木体育館)にて開催され、当支部からも2名(菅原智範・鈴木清治)の選手が出場しました。その激闘を振り返りたいと思います。 −270クラスには菅原選手が出場しました。本大会代表リザーバー(補欠)としてエントリーされていて、本戦出場が直前までハッキリせずに不安とも戦いながらも、除々に気持ち(気合い)を高めていきました=結果(当然)は代表出場(決定)です。会場での菅原は、まさに日本代表の「顔」になっており、とても頼もしく思えたのは私だけではなかったと思います。試合の方ですが、菅原の対戦相手はフランス代表の長身(186?)パリス選手。気合い十分の菅原だが、どう距離を詰め打撃・組み・投げ→マウントに繋いでいくかがポイントになりそうでした。試合序盤から菅原は距離をとりながら相手の出方を見ている、突然(カウンター気味のステップから)パリス選手はワンツー・ミドル攻め込む。菅原もこれを捌いて中間距離にして機を伺う展開。再びパリス選手がワンツー・ミドルのコンビを繰り出す中、菅原は蹴りをキャッチし押し倒しグランドへ持ち込む=得意の展開になった菅原は上をキープしつつマウント狙いだ。そして決めのパンチをいれるが姿勢(体勢)が悪くポイントにはならず。しかし2度目のマウント状態では決めが入り、菅原は効果を奪取。試合時間はハーフを回ったところだった。その後スタンドになり、三浦師範からの指示(守らないでアグレッシブルに踏み込んで打撃しろと言いました=師範・談−1)の声に対し頷く菅原。一方パリス選手はポイントを取り返そうとパンチで圧力を掛けてくる。それに対し菅原は距離を詰め場外へ押出す展開に。再び打撃連打を繰り出すパリス選手の蹴りをキャッチし押し倒す試合は、落ち着いており優位な試合を作っていた菅原だったが、残り30秒くらいで自ら組みにいったところに強烈なパンチを合わされ、効果ポイントを獲られてしまいイーブンに。何とかポイントを獲ろうと不用意に距離を詰めた(ガードが低く)ところ再び、パンチを合わされダウン=残り10秒のところだ。その後、何とか立ち上がろうとするがダメージが回復出来ていない様で、無念(!)一本負けに。残り30秒までは菅原の勝ちを確信していました。 攻め込ませるだけでなく、相手との距離をキープさせるべきでした。セコンドとしてクールでいなければならないことを反省しております。 そして今大会、第2回世界大会に続き2度目の代表出場となった鈴木選手(以降、清治と言う。)は−250クラスで前回大会の忘れ物を取り返しに気合い(プレッシャーも含め)十分だ。今回の試合は参加国の多さの為、初戦が開会式の前日となり改めてプレッシャーがあったと思います。しかし本人は勝ち上がって、必ずや東北本部 コノネンコ師範との戦い(準決勝)まで辿り着くと闘志を燃やしていました。 初戦の対戦相手はイギリス代表(インストラクター=大道塾一本で生計を立てていること自体は素晴らしいことです=師範・談−2)のマーク選手。体型は、ほぼ一緒でキック系か組み技系かわかりませんでしたが先ずは、いつもの動きで行くことを清治と確認しつつ試合開始となりました。清治はいつものリラックスした構えで距離をキープ、その後は素速いステップからワンツー・フックを、いきなりヒットさせる。マーク選手は嫌がり組み付いて、清治を倒そうとしたが、清治は(逆に)これを利用して裏投げ風に倒してグランドになり、上を取れなかったこともあり場外へ移動させることに。再びスタンド勝負となり、打撃で仕掛ける清治はマーク選手が組んでくるところを見計らい、例の決め技(!)ビクトル投げ風の足取りからのグランドから一気にヒザ十字で勝負を賭ける。マーク選手はなんとか立ち上がって逃れ様とするが清治はこれをさせずに、ヒザをガッチリ極めてタップを奪い(見事)一本勝ちに=開始30秒弱そこそこの出来事でした。清治本人のプレッシャーは相当でしたので、だからこそ勝ち名乗りを受けているシーンは涙が出るほど嬉しかったのは私1人ではなかったはずです。 次の対戦相手は前試合同様、イギリス代表(支部長+インストラクター=一本で生計を立て支部長もしているということは素晴らしいと言うか羨ましい=師範・談−3)のタハー選手だ。この試合も序盤から清治は、いつものリズムからパンチ連打をヒットさせペースを握る展開に。スピード(フットワーク)に対応仕切れない様子だ。更に打撃攻勢を掛ける清治は連打による効果ポイントを奪取。タハー選手は何とか組み付いてグランドに持ち込むが清治は冷静に対応し、上をキープしつつ締めを狙う展開に。ノーポイントで再びスタンド勝負になり、清治の圧力に対して手数が出なくなったタハー選手へ怒濤のラッシュ(打撃連打)をヒットさせ有効ポイントを奪取=流れは完全に清治ペースになる。その後も前蹴りからパンチ連打で攻めて一気に勝負を決めにかかったがタイムアップ、優勢勝ちとなる。 清治3回戦(準々決勝)は09’ロシアカップ大会及び08’欧州カップ大会それぞれの−250クラス準優勝者で前試合では勝 選手を破っているケレカサエフ選手=文句なしの強豪だ。清治は、この試合に勝ってこそ前途した「忘れ物」を取り返せるのだ。私は、そんな風に思いながら気合いを入れてセコンドに就きました。序盤から清治は気負うこともなく、いつもの動きの中で距離を取ることに。早々一気に距離を詰めて、パンチの連打で仕掛ける清治に対しケレカサエフ選手も打ち返すということで、五分の展開になる。その後、両者打ち合いから密着そしてグランドの展開になるが、清治も粘って上を取らせず相手の足に絡んで(クラッチ)封じていく。ケレカサエフ選手はマウント狙いの様で、絡んだ足を固定したままで決めのパンチを入れる=ニーインザベリーにもなっていない(ポイントにはならないはず!)が副主審・副審が効果ポイントと判定が入ることに。主審(後での話しだが要約すると、主審の目からでも効果は成立していないと思っていたそうだが、2人の審判が効果と判断したのでと言うことでした=師範・談−4)が審判団を集め「審議」になるが、判定は覆らず、劣勢になった清治は直ぐ反撃すべく打撃勝負をかけるが、ケレカサエフ選手は組んで距離を殺し凌ぐ展開に。更に打撃連打をヒット(これは連打による効果と思ったが・・・)させ攻めるがポイントならず、ここでタイムアップ、無念の判定負けとなる。マウントによる効果ポイントが「微妙」だっただけに、本当に惜しい試合でした。 今回の世界大会全般はロシア勢の強さ(全階級制覇)だけが光った大会と思いました。日本代表選手も優位に試合を進め「このまま行けば・・・」という気持ちが隙を作ってしまい、その瞬間に強烈な一撃を喰らい、逆転負けになるケースが多かった様です。ある意味、日本勢の空道スタイルが固定されてしまったかもしれません。全て(色んな)に対応出来る組手スタイルをロシア選手は実践することが出来たので、今回の試合結果になったと思います。 最後に石巻支部から出場した菅原智範選手・鈴木清治選手には、お疲れ様そしてありがとうと心から感謝します。又、4年後の世界へ連れて来てくれる選手が生まれることを期待(祈念)します。本大会において、前途した「忘れ物」を清治!菅原!ありませんか・・・・ 押 忍
世界大会観戦記 女子部 阿部裕美 今回は2日目のみの応援でしたが、前日の速報で鈴木さん「相手を膝の裏十字で秒殺」と聞き翌日の試合が大変楽しみでした。 世界大会は今回で第3回。前回の大会も応援に来たのですが前回とは比べものにならないくらい多くの国々が参加していました。会場は熱気に包まれ、各国それぞれの選手の気合いが伝わってくる様でした。話す言葉こそ違いますが思いは一つ!皆、頂点を目指しているのだと感じました。言うまでもなく菅原さんも鈴木さんもこの大会に向け数ヶ月前から厳しいトレーニングを重ね+減量もし、この日に賭けて来たその思いは「ひしひし」と伝わって来ました。 開会式では気合いのみなぎった日本代表選手たちの入場行進のコールというのはオリンピックさながらでした。又、開会式終了後に日本人選手が全員で円陣を組んでいる姿にも、この試合に賭ける各選手の気合いが感じられました。 試合の方ですが、鈴木さんの2日目初戦は危なげない試合運びで余裕の勝利に見えました。 続く菅原さんの初戦は、ロシア人の頭一つ分も違うフランス代表選手が相手。開始直後から果敢に攻めグランドへ持ち込み、押さえ込んで惜しくも腕は取れずポイントにはなりません(その後のグランドでマウント効果を奪取!)でしたが。このまま優勢で行けます様にと祈りながら応援をしていました。しかし残り20秒というところで顎にパンチが入りノックアウトされてしまいました。 そして鈴木さんの3回戦の相手はロシア人選手でした。途中、グランドでポイントを獲られてしまいましたが、その判定に「物言い」が付き審判が集められて話し合いが行われました。しかしポイントは覆らずにそのまま試合が続行。その後は全く引かず攻め続けましたが、先のポイントが響いて判定の末、負けてしまいました。ポイントは獲られたものの全く負けた気がせず、あのポイントさえ覆っていれば・・・という思いは未だに拭えません。 帰りの新幹線の中では、この件に関する師範の熱い思いを聞き、この悔しい思いが何らかの形で報われることがあればと感じました。 大会を終えてみると全階級でロシア人選手の優勝という結果になり、会場に響いた「ロシア」コールのパワーに圧倒された大会でした。しかし菅原さんの試合、そして鈴木さんのロシア人選手と互角の堂々たる戦い振りを見ること+応援に行くことが出来て良かったと思いました。 鈴木さん・菅原さん本当に、お疲れ様でした。試合の結果はあるものの、この4年に1度の世界大会への切符を手にするまでの道のりは、努力の賜だと思います。また石巻支部から2名も世界大会に出場していること、そしてそこで一緒に稽古が出来ることの重みを感じました。 オ ス
−270クラス 菅原智範(弐段) 所感 先ず、自分を応援・サポートして下さった皆様方本当にありがとうございました。そして申し訳ございませんでした。 試合については、あまり振り返りたくないのですが、一言で言うとズバリ「調子に乗り油断した」事が敗因だと思います。試合序盤から自分のペースで進み、マウントパンチで効果を獲り自分自身でも明らかに勝っているというのがわかっていました。が、しかし試合残り時間数秒で、パンチでもポイントを獲ってやろうと思い、突っ込んで行ったところ、カウンターをもらい効果を獲られました。 ここで自分のNHG空が壊れて試合が一時中断しました。会場にあった予備に交換し何か違和感を覚えながら再開したラスト6秒、強烈なパンチをもらってダウン、そのまま1本負けしてしまいました。倒れてからの記憶が全くなかったので初めての経験でした。しかし、この試合で多くのことを学びました。様々な競技において戦術等色々ありますがこの試合において学んだことは「攻撃は最大の防御」というのは違っており「先手必勝」「逃げるが勝ち」に尽きるなぁとおもいました。 自分は10月の時点で補欠という立場で、一瞬気持ちが覚めて腐った時もありましたが、三浦師範を始め、各コーチ陣そして清治等に励まされて今回の世界選手権に日本代表として、この舞台に立てたので一つでも多く勝って恩返しして、そして現役から引退しようと思っていましたが、こんな結果じゃ恩返しにもならないし自分でも納得が出来ないので、まだまだ現役で頑張り、2011年のワールドカップ日本代表を目指して稽古しまくりたいと思います。 最後になりましたが、東塾長を始め事務局長、三浦師範、支部塾生の皆様、そして一緒に戦った日本代表の方々本当にありがとうございました!これからも御指導・御鞭撻+愛の拳等よろしくお願いいたします。 押 忍 (P.S)膝の痛みと痛風が治ったら稽古を再開します。
−250クラス 鈴木清治(弐段) 所感 4年前(正しくは6年前からか?)の悔しさをバネに、ここまで稽古に打ち込んで来ました。(途中、気の抜けた時期もあったけど) 試合直前の11月に仕事で、またもや異動になってしまい「仕上げの時期」なのに思う様な稽古(練習)が出来ませんでしたが、自主トレや出稽古そしてここまでやって来た事&自分の経験値を信じて、いざ世界大会へと挑みました。 少々苦労した減量の甲斐あって計量も順調にクリアして、まずは一回戦。相手はイギリス人。打ち合っても負ける気はしませんでしたが、まず「ノーダメージ」で確実に勝つ事が大事なので、相手に付き合わず膝十字でさっさと決めました。 そして二日目の二回戦。またもやイギリス人(今度はイスラム系の「ヒゲもじゃ」)この試合ではガンガン行き調子を上げて、次の本番(ロシア人)に繋げようと思ってました。試合の方は得意の左ストレートを軸にパンチで圧倒して3回戦(準々決勝)へと駒を進めました。(=本当は仕留めたかったけど) そしていよいよ本番であるロシア人との対決です。相手の飛び込み右フックに対してこちらの飛び込み左ストレートの対決(打ち合い)となりました。打撃の圧力は思ったほど強くなかったのですが相手の強引な首投げに手こずり、流れの中からグランドで下からの状態で「足関節狙い」の所で、不本意(不可解)なマウントパンチ効果を取られ最後はパンチ勝負に出ましたがタイムアップ=判定負けとなりました。 反省点としては「ムキ」になって右パンチはフックに偏り、真っ直ぐ系のパンチが出なかった事、蹴りも殆ど出ませんでした。 もっと納得するまでやりたかったしダメージとかも全然無いし、正直「不完全燃焼」です。日本代表としてロシアを止める事が出来ず悔しいし申し訳ない気持ちです。 今大会で燃え尽きて現役を終える予定でしたが、このままではまだ終われません。(・・・って事で、もうちょっと選手続けます) またしてもロシア人に負けてしまい「リベンジ」はなりませんでしたが、ロシア人への「トラウマ」は払拭出来たかなと思います。 最後に世界大会へ向け、稽古(練習)相手となり実験台?となりセコンドとなり、あらゆる面でサポート・応援してくれた石巻支部の仲間の皆さん、三浦師範、強化合宿で御指導いただいた東先生を始めコーチの皆様、共に技を研きあい・支え合い励ましあった代表選手と候補の皆さん、出稽古で御指導・お手合わせいただいた登米の後藤先輩・金田さん・藤井さん、多賀城の中川先輩・阿部さん、塩釜の山本さん・小島さん・星さん、そして会場に応援に来てくれた方々(日進の細井さん!お土産、御馳走様でした)、毎年(回)見に来てくれる数矢=本当にありがとうございました。 そして大会の開催に御尽力された東先生・事務局長始め支部長スタッフ関係者の皆様ありがとうございました。大変お疲れ様でした。 押 忍
↓※採用画像の取扱について 本大会は会場内においてのビデオ・カメラ撮影が制限されていまして、今回の更新画像(塾長了承済)については試合経過(所感及びINDEXを参照下さい)以外を主として載せる形となりました。 |
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